言われてみれば納得の虫食いの仕組み
洋服が虫に食われた~!
こんな経験ありませんか?
僕も去年着ようと思っていたカシミヤコートが虫に食われていて、ショックでした( ;∀;)
繊維自体も虫の恰好の餌になりますが、実はしみや汚れも虫たちの栄養源。
ですから、我々クリーニング店は衣替え時期、しまう前にクリーニングしてしまいましょうと喚起するわけです。
もちろん、クリーニング店を利用してもらいたいという邪な気持ちがないわけでありませんが、衣替えで洋服をしまう前にきれいにしておく必要があるという論理は、洋服にとってとても大切なことで、けっして間違った考え方ではありません。
むしろ、理にかなってるんです。
カツオブシムシとイガが代表的な衣類害虫
うぎゃーーーー!
こいつらが、我々の大切にしている衣類を食ってしまう虫たちですΣ(・ω・ノ)ノ!
主に幼体時に衣類を食べてしまうようですが、いったいどこから湧いて来たのかw
虫くん虫くん、君たちいったいどこからやってきたの?
まー、うちもきれいというわけではないので、虫の一匹二匹、カビだっているとは思っていますけど、こいつらいったいどこから?って思いません?
言われてみれば、当たり前なんですけど、
ひとつは洗濯ものを干している時。
もうひとつは、外出時にいつのまにやら産み付けられてしまうとか。
こえぇ・・・。
でも、実際食べられてしまっているということは、気づかないうちに卵を産み付けられてしまっているんだろうね。
そんなわけでしみは虫たちの美味しいご飯になっている件
なっている件・・・じゃねーよ!
セーターは毎回洗うひとって少ないですよね?
シーズン中洗わないという人もいるくらいですから、知らない間に卵を産み付けられちゃう。
室内に持ち込まれちゃうと、天敵もいないので、うちらの洋服をたらふく食らいながら、すくすくとそだってしまうのです。
家の洗濯だと、洗って外に干すってことなんですが、その干してる時に害虫を産み付けられちゃう可能性もある。
昨今、黄砂や花粉なども春には舞うので、洗濯日和なんてよく言うけれど、春は室内干しを推奨した方が良いのかもしれませんね。
しみ抜き時の穴は繊維の状態が悪いから!
しみ抜きして、穴が開くことがあります。
へたくそだからだ!と思ったあなた。
ちょっと、それ違います。
もちろん、技術的な失敗も全くないとは言いませんが、そのほとんどはしみ部分の繊維の劣化によるものです。
虫にじわじわ食べられてしまうと、繊維はどんどんやせ細り、生地は薄くなります。繊維は虫食いとしみによる劣化で二重に弱っていきます。
しみの色はどんどん濃色になり、場合によっては濡らしただけで、紙のようにボロボロっと崩れてしまうこともあります。
こういった場合、クリーニング店では有料でのリフォームでのメンテナンスに切り替わります。
そっちで穴開けたんだから、お店で弁償して欲しいというお客様がいますが、それは絶対にしません。
また、仕方なく弁償しているクリーニング店がありますが、それは正しい対応とは言えません。
これはうにぞう声を大にして言いたいです!
クリーニング店に預け続ければ、いずれ洋服代が返ってくるシステム
そんなことをしていたら、着ていくうちに劣化していくものにも関わらず、クリーニング店に預け続ければ、虫食いをはじめ、劣化が原因で起こる症状がクリーニングやしみ抜き時に起こるわけですから、それを弁償するということは、クリーニングに預けていれば、仮に着ることが出来なくなっても、代金が戻ってくるというシステムが完成してしまいます。
それはご法度中のご法度です!
クリーニングのシステムは安全第一で考えられたものが多く、しみ抜き剤も昔使用していたものが、現在使用できなくなっているほど、マイルドなものに移行されています。
それでも、しみによってはある程度強い薬品を使用しなくてはならないケースもあり、慎重に作業するわけですが、繊維がもろくなっている場合はどうしようもないのです。
それを弁償しろといわれてしまうと、僕らはしみ抜き作業をすることすらできなくなってしまいます。
ですから、ちゃんと正直な仕事をしているクリーニング店とお付き合いして欲しいですし、信頼しているクリーニング店の説明はプロの見解として聞き入れて欲しいのです。
ユニクリーニングは全国からいくつものクリーニング店で処理されたものや、これは無理だと断られたようなひどい状態のものが、他のクリーニング店より集まります。
当然、、こうしたリスクは高まるので、こちらも細心の注意をして行うわけですが、それでも他のクリーニング店の処理で生地が傷んでいるケースもあり、結果穴が開いてしまうこともあります。
そうした場合は、必ず有料リフォームでのメンテナンスに変えさせてもらいます。
また、「穴が開かないようにやって欲しい」というお客様がいますが、僕らも穴が開くようにはやりたくないんです(笑)
穴が開かないようにやっていても、想定外が起こってしまうことが衣類のメンテナンスには必ずあり、それはベテランの域の職人でも起こり得ること。
しみがついている所は、生地が弱っていて穴になってしまう可能性があるという認識が必要だと思います。クリーニング店もネガティブなことを隠さずに、こういった情報をしっかりとお客様にお伝えすることも大切なことだと思います。
リフォームの技術も進歩していますし、僕なんかはデザインリフォームして、逆にほつれや穴をデザインしていますけどね。
周りからとても評判いいです(笑)
隠そうとすると、完成度がかなり高くしないとならないですけど、デザインにしてかえってポイントにしていくことで、古着やリメイクの楽しさが洋服に加わって、洋服やファッションを楽しんでるなーっていう感じになります。
靴下の穴をふさぐのとは、意味が違いますよ(笑)
ま、靴下の穴だってデザインできますけどね♪
ニットのリフォーム技術は、現在かなりの完成度を誇っていますので、リフォームと言ってもほとんど目立つことはありません。しみにしているよりもそこをカットして、糸を繋いでもらった方が逆に良いくらいの場合もあります。ニットの小さな穴なら、表からかなりわからない感じで直すこともできますし、しみ抜きならOKでリフォームは嫌だというのも、今のメンテナンス技術を考えれば、ナンセンスだと思います。
僕も簡単なリフォームは出来ますけど、複雑なものは専門店が素晴らしい仕事をしてくれるので、そういったお店と繋がりのあるお店に相談すると、安心です。
いろんな技術、知識を使い分け、洋服の状態によってどんな作業が適しているか、また、想定外のことが起こった時に適切な処理が出来ることが、良い技術者、良いお店なので、信頼しているお店にすべてを委ねることが、結局、その洋服に一番相応しい、レベルの高いメンテナンスを行ってくれることになると思います。
クリーニング店は乾燥機&室内干しだから安心!とどめはアイロン!
家庭のお洗濯では虫が付く可能性もありますが、クリーニング店で洗ってもらったものは、乾燥機を使うので、虫を撃退するには素晴らしいシステムになっております。
乾燥機はみなさん乾かすためのものだけに意味があるものと思っているかもしれませんが、埃やまとわりついたゴミなどを一緒に振り払ってくれます。
これがかなり良い役割を果たしてくれています!
うにぞうのお店、ユニクリーニングでは洗浄後に乾燥、そして、その後にボックスという魔法の箱に入れて、特殊な加工剤を蒸気と一緒に噴霧し、虫ます!
じゃない、蒸します(笑)
それだけじゃ、ありません!
そして、最後にアイロンの蒸気で成形しますので、これでもかっていう位に蒸し蒸し攻撃を与えて、虫たちを完全に死滅させているのです!
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因みに、うにぞうこちらの商品を使っていますw
そのうち動画にあげますね!
家庭でもこういったものを使って蒸すこともできますが、問題はしまいっぱなしにしてしまうことなので、クローゼットを換気したり、定期的にメンテナンスしないと安心はできません。
話が逸れましたが・・・
うにぞうのお店では、別に虫を殺すためにここまでしているわけではなく、本来、洋服のための作業工程をしっかり踏めば、こういったものは自然にやっつけることができるシステムになるはずなんです。
うちらの業界も、アパレルの品質ばかりに文句言っている感否めないですけど、我々の業界だってけっこう手抜きシステムが横行しているわけで、おまいう的な所はあります。
クリーニング店もお店によっては、低料金を実現するため、作業効率を上げるため、いろんな工程を簡略化したり、削ったりしてしまっている所もあります。見た目にはわからないかもしれませんが、後々洋服にボディーブローのように効いてくることもありますので、ご用心を。
かといって、何でも洗剤まみれで洗うのもどうかと思いますし、その辺りのコントロールがちゃんと人道的に行われているか、お天道様に顔向けできるような仕事をしているかが、今の世の中、本当に大切になっている気がします。
亭主元気で留守がいい(笑) byタンスにゴン
昔むかし、タンスにゴンという防虫剤のCMが一世を風靡しました!
金鳥から出たこのシリーズ!
数々の名CMが生まれました!
今、こんなのやったら、問題になるのかな(笑)
時代ですねー。
今は何かと細かいことにいちゃもんつける人が多くて、世知辛い世の中になりました。
何が言いたいかというと、防虫剤ももちろん有効ですので、ぜひ、活用してください。
しかも、2015年から「タンスにゴンゴン」に進化してた(笑)
そして、併せて使いたいのが、除湿剤!
除湿剤も虫たちの環境を良くしてしまいます。
カビの原因にもなり、そのカビも彼らの食料に?
何でも食うな!
防虫剤で注意しなくはいけないことは、直接洋服に触れると脱色の原因になるものがあります。
ファブリーズでも色が抜けるものがありますので、注意が必要です。
使用上の注意をよく読んで、正しく使用することをお勧めいたします。
まとめ
ということで、いろいろお話してきましたが!
ニットや天然繊維は虫が好む繊維ですし、しみや汚れも虫たちの栄養源になってしまいます。
ですから、しまう前に必ずきれいに洗ってからしまわないといけません。
そして、家で洗うより、クリーニング店で洗ってもらった方が、虫を徹底的になくすことが出来ます。
虫食いやしみが原因でクリーニングに出したときは穴になっていなくても、洗ったりしみ抜きすることで穴になってしまうことがあり、その際の弁償は受けることができません。
防虫剤を使うのもいいと思います!
いや、むしろ使っていきましょう!
クローゼットの環境をチェックしてください!
定期的に換気したり、メンテナンスしましょう!
と、こんな所でしょうか?
今回は虫食いのことについてお話させてもらいました。
YouTubeではニットのしみ抜きの様子を上げていますので、ぜひ、ご覧になってください♪